黄燎の章の謎(FE無双風花雪月)

FE無双風花雪月を全ルート全支援会話クリアした。

青燐は知りたかったのは微妙にそこじゃないんだけどなとかもっと正面から帝国と殴り合いたいんだけどなと思いつつ受け入れられるレベルだったが、黄燎の章は後から後からツッコミ所が湧いてきてどうしてくれようかと思った。

一言で言うと変。面白いとかつまらないとかにたどり着けない……あまりにも変で。

普通に感想を書くのが難しいので気になったところを全部ぶちまける記事です。黄燎について基本スタンスがネガティブであること、原作(FE風花雪月)を含む全ルート全支援会話のネタバレを含むことをご了解の上、読みたいという酔狂な方だけ続きをお読み下さい。
あと、取りこぼしたイベントや会話はほぼないはずですが、普通に忘れていたり勘違いしていたりするところもあると思います。もしご指摘いただけたら幸い。


第一部

・そもそもエガちゃんが無言で同盟に攻めてくるのが変

普通まず同盟に対して中央教会につくかつかないかを聞きませんかね。

青ルートのナレーションによれば、帝国は王国による中央教会の受け入れを受けて王国に宣戦布告している。
他方、同盟には宣戦布告すらせず(黄燎第二部EP9で侵略戦争を仕掛けたことを否定しているので宣戦布告してないのは確実)進軍している。EP9ではアケロンの要請に答えただけって言い訳してるけど、これが口実であることは明らかだし、そもそもそれならデアドラまで進軍しないわな。

同盟は戦力的に最下位っぽいので(黄燎散策時会話)簡単に押しつぶせるだろうと考えたのかもしれないが、闇うごを欠いてレア様入りの王国と同盟(と闇うご)の三正面作戦ができるという判断がまず変。それができるなら原作でもやれよ。あっちにはシェズより(少なくともストーリー開始時点では)強い先生もおるんやぞ。

しかも、帝国は中央教会に宣戦したら同盟が帝国に敵対する、と予想したからこそこういう判断をしたはず。でも第二部の流れをベースにすると、同盟は東方教会の影響力が強くて、中央教会に敵対してもほとんど混乱が起きないレベルで中央教会との縁は薄いみたいなんですよね。

じゃあ最初から侵略されたくなければ中央教会を見捨ててミルディンを通らせろって迫ってみればよかったのでは?

赤ルートのようにもうグロスタール伯の了解を取り付けてて、するっと通り抜けできるならそりゃ黙って通ろうとするでしょう。でも、黄では了解まではとれてない。

ガルグ=マクに電撃戦で攻め込むため、事前に同盟に意図を伝えたくなかったんだとしても、ミルディンで殴り合ってたらどうせ教会側にばれるんですわ。グロスタール伯が臣従してない状況下では、気付かれずに抜けるのは無理でしょう。
だったら軍事力を盾に打診して決裂即侵略のが合理的。

強硬策を取る合理的な理由としては「中央教会に宣戦布告したら同盟が敵に回る目算が高いから、どうせ敵対するなら先手を取る」だろう。ところが、二部では同盟には中央教会の影響力はほとんど及んでいないことになっている。じゃあ最初から中央協会と仲良くない同盟とは協調できたんじゃないですかね、そもそも同盟にも帝国にも大して影響力がない中央教会を改革のために潰す必要あります?という疑問が湧いてくるわけだ。

これは赤焔にも共通する問題点だが、赤・黄での中央教会は敵対しても国内の信徒がまったく蜂起しない程度の影響力しかなく、戦力的にも帝国が三正面作戦をとれると判断するレベルということになる。
この程度の、しかも自国内じゃなく他国にいる集団を排除しないとできない自国の改革って何?
自国から追い出した後は放っておいて改革に勤しめばいいんじゃないですか?武力で文句言ってきたら返り討ちにすれば十分では。

・シャハド殺害が何もかも変

EP3で殺したら外交問題になるっていっていたけどEP8ではあっさり殺すよ。な……なぜ……?

まあ、外交問題になるというのはクロードが殺したくなかったがための口実だったとか、今回は王の命令にも反して出陣してきちゃったからEP3と違って外交問題にはならないのだ、とかあるかもしれない。
が、その説明がまったくないのは普通にどうかと思う。
もしくはEP8戦後のナデルの説明がその部分を担っていたのだとすれば、王としてはナデルによるシャハド謀殺を了承していたということになるか。

ただそうすると、王は自国の王子が大軍を率いて他国に攻め込むのを物理的に止めることもできず他国の手を借りて殺すようなレベルだということになるがいいのだろうか。その程度の統率力しかない王、貸した兵をおそらくまるごと失われたシャハドの伯父あたりが仇討ちしに行こうとしたら止められるのか?

そもそも後継者争いで揉めていたはずで、仇討ちを別にしてもシャハドを担いでいた陣営はこの顛末に納得するのだろうか?
王はEP10に至っても寝ぼけて他国に兵と船を貸す許可を与えているようなありさまだが、そのへん統制できるのか。

パルミラの誇りis何

もうひとつ、ナデルはここでシャハドのことを王位に必要な手柄を得るためにフォドラ攻めを敢行したのであり、「喉元を抜けた後のことは何も考えてない、ただの侵略者」「(シャハド殺害によって)パルミラの誇りを汚さなくて済んだ」という。

まずもってただの侵略者とそうでない侵略者がいるという考え方も、個人的にはうーーーんそうか!?となるが、パルミラの誇りが一番わからない。

原作の外伝「世界を分かつ壁」で、ツィリルはパルミラ人が喉元を越えようとするのは「本気の時もあるけど、いつも本気でやっているわけではない」「小競り合いで武功を立てたい」からだと言っている。
(その上で、ツィリルはそれで死人や戦災孤児を出すパルミラという国は好きではない。でも、戦のたびに将も兵も関係なく宴に興じるようなパルミラ人の生き方は嫌いじゃなかった、と語る。)

そうすると、
死人を出しつつ頻繁に喉元を抜ける気もないのにちょっかいをかけて武功を立てようとするのはパルミラの誇り的にはOK!
でもそのあとのこと考えてないのに武功のために喉元を抜けるのはNG!
というわけですね。

わからねえな……パルミラの誇りってやつが……。

・クロード・ヒルダ支援Bの時間制限が変

第一部がEp8までと他ルートより短いのにBに第一部限定の期間制限あり。現時点で知る限り、Bで期間制限がかかるのはここだけ。

内容的には確かにAが「王になっちゃってよかったの?」という話なので、その前座であるBは第一部限定なのはわかる。が、だったらCにすればよかったのでは?

後述のローレンツAの変さといい、マリアンヌの紋章いつ誰からどうやって知ったんだ問題といい、どうもクロードまわりの支援は不自然さが目立つ。

第二部

EP9

ローレンツ支援A何もかも変

おそらく解放タイミングをミスっており、EP9開始時点で閲覧可能。うかつに支援を上げていると盟約イベントの前にいきなり「帝国と協調することになったわけだが」というネタバレを食らうことにならないか?

最後に突然ねじこまれるローレンツとの握手スチルも「そういう流れだっけ?」という感じだが、支援会話は屋内でしゃべってたのにスチルでは一面の空!遠く見える山!どこからどう見ても屋外が背景の清々しい一枚絵。どうしろというんだ。

多分これがあるのでディミトリークロードのスチルがなくてディミトリは一枚絵が他の級長に比べて1枚少ないんですよ。それもどうかと思うけど、せめて入れるなら合ってるところに入れてくれや。支援会話を屋外で喋らせればよかったんじゃないか。

・盟約の内容なんなんだよ問題

盟約の内容としてムービーまわりでわかるのは、「帝国と協調する」「ミルディン大橋の管理について取り決めた」「帝国の侵略により旧同盟領が被った被害については補償してもらえることになった」あたり。

ミルディン大橋については、赤焔側で散策時モブが「同盟側も勝手に通られたら困るんでしょうね」的なことを言っているところがあったと記憶しているので、同盟(連邦国)が管理し、帝国が通りたいときは一報する、ということだろう。
(黄燎と赤焔では少し盟約の内容も違うだろうが、赤焔より同盟に不利な内容になっているとは思えないので、黄燎でもミルディンの管理は同盟側のはず)

で、盟約締結後、ランドルフがアリルで苦戦しているとの報がクロードたちに入る。

このランドルフ出陣の理由もはっきりしないが、おそらくシーワード・オールバニ・バーガンディの三家と折衝を行っていたセイロス騎士団を叩くために出陣したのだろう。
そして苦戦中だという報告を受けたとき、ジュディットさんが「うちの領地の近くで勝手に戦って迷惑な(意訳)」という話をする。
つまり、ランドルフがダフネル領でもあるアリル(同盟領地名鑑にダフネル領として載っています)に出陣して戦うことは連邦国側に事前に知らされていなかったわけだ。
(多分帝国軍はガルグ=マクから出てきたんだろう。ミルディン通ってたら報告受けてるだろうし)

……普通、協調している相手の国で軍事行動をするときは、事前に知らせておくものではないのか?

一応、ランドルフがアリル通行中に逆にカトリーヌ達に襲われた可能性もなくはない。しかし、相手にできればばれたくない折衝行動中に派手に戦う必要性がさすがになさすぎるのでナシだろう。
そもそもその場合でも、「ランドルフがアリルを兵を率いて通る」ということは予定された行動だったはずだから、ミルディンの例からすれば軍の一隊がアリルを通ることは知らせておくべきだ。

でもクロードはここで「盟約違反だぞ!」みたいなことを言うわけでは全然ないので、アリルでの戦闘についての事前通告はなかったし、事前通告はなくても盟約上問題にならないようだ。

つまり、帝国軍は同盟領地にひっかかるところで自由に戦闘していい。しかし一方、この場面でシェズが言うように、帝国軍が近所で苦戦していたら、盟約上助けてあげないとならないようだ。

なんだその不平等条約は。

盟約上は事前に知らせることになっていたけれど、ランドルフが独断専行してとか緊急すぎてとか、何らかの理由があって事前に知らせずに戦闘行為を始め、やむを得ず同盟軍が助けに入ったのかな、とも思った。
しかしその場合、普通はことが済んでからどんな緊急事態であっても事前に一報もしなかったことを詫びるだろう。そういう描写が全然ないところ見ると、事前に知らせるという発想そのものがないとしか……。というかプレイヤーにここまで辻褄の合う回答を考えさせないでほしいよ率直に言えば。

帝国が同盟を助けてくれる場面がひとつもないので逆の場合はわからないが、どっちも事前通告なしで相手の領地で戦っていいならあまりにも無法、同盟側でだけ戦っていいなら一応勝ったのにこんな不平等条約を平気で結ばされてしまう元首、何?というのが正直な感想です。

・帝国によれば中央教会の腐敗はスゴイ

「帝国によれば」で全員納得しないでくれないか!なんか証拠とか見たんですか?
まあ本当は色々証拠とかあって見せてくれたんだろうな~と思っていたら、青ルートEp5のモブが「腐敗って言われてもわからない、そういうのには厳しく対処してた。確かにレア様の一存で決まるけれど、それは帝国だって皇帝の判断に拠る点で同じでは?」(意訳)と言うのでわからなくなった。
まあ闇うごが青で投げた覇骸化紋章石を他ルートで投げないのも謎だし、青ルートのことは忘れてくれということなのかもしれない。

ランドルフ見殺し戦の変

上で書いたようにこの戦が起きたこと自体が変だと思うわけだが、起きたものは仕方ない。

しかし、ここのクロードの狙いがイマイチピンとこない。戦闘そのものの目的としては、「セイロス騎士団をカトリーヌ含めて一兵残らず殺しつくす」だったのはわかる。実際このあとのEPでの王国側での「一兵も帰らないとは」という発言を見るに、そのとおりになったようだ。
カトリーヌは強力な将だし、敵軍の兵力もなるべく削げるにこしたことはない。早く敵軍の戦力を減らせればもちろん戦争ののちのちにとってはプラスになる。それはわかる。

一方で、フレーチェが後に帝国兵(のフリをした人)にランドルフが見殺しにされた話を聞いて驚く場面からすると、はた目から見てもはっきり見殺しにしたとわかるやり方で帝国軍を見殺しにした割に、帝国側には「力及ばず助けられなかった」程度の話しかしていなかったとしか思えない(エガちゃんがフレーチェに届く前に握り潰したのでなければ)。その話、ばれない?

帝国軍を助けて恩を売ることより、大戦力であるカトリーヌを倒すことを優先したという判断だと思うが、帝国軍を利用したことが帝国にばれてほしくなさそうなムーブをしてるのがわからない。
少数でも助かった兵がいれば、見殺しにしたことはすぐばれるわけだ(作中ではどうも帝国軍も全滅したおかげで伝わらなかったようで、それもどうかと思うが……)。
帝国軍を捨て駒にして教会軍を殲滅するという判断をしてもいいのだが、その判断を下したことが帝国側に伝わることをどう思ってたのか不明なので据わりが悪い。

そもそも盟約の内容がフワフワしているのも悪いのだが、盟約の内容が「盟約相手が助けられる場所で戦ってたら相手の兵を助けてあげる」というものだったのだとしたら、別に帝国兵は一兵も助けてないようなので、クロードの行動は盟約違反ととられる可能性があったことになる。そこのカバーはどうする気だったのか。

ここで仲間たちもクロードを責めるが、あくまでモラル的な問題しか指摘しないので……。帝国との関係が悪くなるかもという点は一切考えなくていいんですかね。いいんだろうな。いいんだということで進めます。

あと細かいのだが、一兵も残らず殺しつくしてるらしいのにコニーとハピが説得→降伏させられるのちょっと……。二人の部下とかどういう気持ちだったんだろう。

・フレーチェにチクった奴

誰だよお前。「ちょろいもんだ」的なこと言ってるところを見ると闇うごっぽいが、喋った内容は全部真実だしな。この人本当にこれっきり消えるのでマジでわからない。単にクロードが改心(?)するためのエピソードならこいつの正体ほのめかす独白いらなくないか?

Ep10

ランドルフ将軍の旗

家を立てる許可をもらうために武功を立てたいランドルフだが、一目見ただけでランドルフ部隊だとわかる旗は持っているのだ!
重箱の隅なのは自分でもわかってるんですけど、メインストーリーに突っ込みどころが多いとこういうどうでもいいところも気になって……。

・他国の王の暗殺まがいの任務を受けるジェラルト傭兵団

帝国でも連邦国でも仕事できなくなりかねない内容だと思うんだけどなぜ受けた。
帝国と連邦国の盟約は当然世間に広まっているわけで、帝国軍の人間が連邦国王の暗殺依頼してくんの劇的にやばい依頼だということは一瞬でわかると思うが、帝国内で評判も高いはずのジェラルト傭兵団はこの仕事を受けて大丈夫なのか。
うっかり成功したらその後どこで仕事をする気だったんだ。

・フレーチェの暗殺未遂を「当然の報いってことか……」というクロード

正式な援軍要請を受けたわけでもなく、帝国との関係にヒビが入るわけでもないけど帝国将を助けなかったら遺族が逆恨みして襲ってくるのは驚くべきことではなく普通にありうることかのような反応。
あまりにも無法。

・フレーチェを返り討ちにした後帝国と特に何もない

政治劇が書きたかったっつってんのに他国の軍の人間が友好国の元首の暗殺未遂しても特に何か交渉材料にしたりはしないぞ。なぜ。
ジュディットさんが死んでいてすらフレーチェの独断で済ませて何もしないの、明らかに問題がありすぎる。自分がダフネル家の人間だったら暴れるところだよ。

一億歩譲って、クロードがランドルフを助けなかった負い目から不問にしたのだとしても、その描写くらいはしてくださいよ(それも元首の判断としてはどうかと思うが)。

EP11

パルミラのすごくでかい船問題

エドマンド伯が整備した良港だからこそ受け入れができたが、フラルダリウス領の港には普通につけられたしそのまま占領できたぞ。やったね。

エドマンド伯の交易相手問題

航路をいっぱい開拓したと言われているが、北はスレン東はパルミラ
どこと交易してたんだろう。これは突っ込みというより純粋な疑問です。

・略奪は禁止な!

調査地点で出てくるけど住民が逃げた家から資材がとれるよ。これは略奪ではないということか。
ちなみに調べた限り自国内マップのときはこういう調査地点が出てこないようなので、ここは雑ではなく意図的だろう。なんで?

・クロード「辺境伯は騎士道精神のせいで死んだんだ」シルヴァン「父上は自己満足で友達のために死にましたよ」

プレイヤーをどういう気持ちにさせたいのだろう。ここでクロードの言うとおりだなと感じるにはかなりの努力を要すると思う。

Ep12

・とってつけたようにラルヴァが闇うごをリマインドしてくる

本当にとってつけたようなリマインド。本当にEp12だったかもちょっと自信がない。でももうやり直したくない。
それに対して「完全に(忘れてた)」と返すシェズもすごい。心配にならないのか。

・中央教会に敵対したけど東方教会のおかげで一切混乱は起きなかったぜ!でも自分らしい世界を作るためには中央教会を潰さないとだから早く潰して戦争を終わらせようね!

排除しても大して変化の起きない程度の影響力しかない組織を排除しないと既存の秩序が壊せないんだ!

じゃあ逆に言うと排除しても既存の秩序は壊せないのでは?
もともと影響力がないんだから、既存の秩序が作られたのだってその影響力だけが原因なわけがなかろう。

上でも書いたけどこの設定、本当に黄燎とかみ合わせが劇的に悪いので安易にそうすべきではなかったと思う。

あと、東方教会は確かに武力を持たず、これは原作からそういう設定だった。
ただ、原作では治安維持のために中央教会の戦力を借りて同盟諸侯にその存在感を示そうとしている、影の薄い組織だった(原作外伝「剣であり盾たる騎士団」)。
2年でずいぶん力をつけたものだなあ。

・フェルディア戦の変

まだ民がいる(ディミトリが戦闘中に避難を完了させてる)王都に攻め込んでおいて「話があるんだ!」は無理だって。
その後のムービーは突っ込む気力がない。

Ep13

・クロード「闇うごの話はエーデルガルトから聞いていたんだ」

でも特に誰にも共有はしていない。Ep9~Ep10の話は何だったのだろう。

・治安維持部隊はお前らしかいないのか

王都からとんぼ返りでコーデリア領、移動距離も相当のものである。他にどうにかできる人はいないのか。

赤焔でも同様の展開があるが、こちらはタレスをどうにかして倒したいと思っている上、闇うごの戦力のやばさもよくわかっているので皇帝御自ら戻るのは理解できる。
でも連邦国はそこまで闇うごの危険性を理解していないだろうし、せめてあそこで王国から戻らないといけないほどの規模であることをもう少し説明してほしい。

そして闇うごは何がしたかったんだ。赤ルートで語られるフリュム領→メリセウスの流れのとばっちりでいいのか?

あと後背で問題が起きて大返しという流れを二回もやるシナリオ、シンプルにどうかと思う。

Ep14

・アリル三国激突がないので演説スチルもないしグロンダーズの曲もない

でも黄燎EDムービーの冒頭(セイロスVS闇うごの直後あたり)には赤焔「四色の旗集いて」のクロード部分のムービーが流れるよ。ネタバレしてんじゃねえ。
ちなみに青も同じ問題を抱えています。PVに出てたからいいってもんじゃない。

ニンドリでも赤焔アリルのクロードのスチルを黄ルートかのように載せてたし、そこが見せ場だとわかっているならきちんと入るストーリーにしてほしかった。
クロードメインであのスチルがあると思って買った人に対してははっきりと詐欺的だし失礼。

・大修道院の奥に行けない

大聖堂に行く橋、思い出深いあそこを駆け抜けるのが無双のひとつの見せ場だと思うのだが、エガちゃんを介護して連れてくだけのルートなので行けない。
戦闘の持って行き方次第では別に出せたと思うのだが、それよりタルティーンがあった方が金鹿勢はうれしいだろうという忖度の結果なんですかね。

・信義に悖ることをやってはいけないという主張

中央教会には少なくともかつてのパルミラ襲来の際には首飾り建設の音頭をとってもらい、2年前のパルミラ襲来の際には騎士団一の射手であるシャミアさんを貸してもらったわけだが、その恩を仇で返すのは信義に悖らないのか。

級友だし助けてあげたいよね、という発言も見られたが、王国勢は級友ではないのか。
散策時にクロードが一応「ディミトリだって級友だ」と言いはしますが、その前に(場合によっては)殺害済みのアッシュだって級友だったんだけど…。

別にエーデルガルトを助けに行ってもいい。
しかしここの主張をまとめると「恩を仇で返すことは信義に悖らないけど同盟国を見捨てることは信義に悖るし助ければ貸しも作れる」という主張になってしまい、ちょっと理解が及ばない。
貸しが利点として機能する世の中は恩を仇で返さないことを前提としていると思うのだが。

あと、「騎士道精神を重んずる王国は恩義のある教会を裏切れない」という発言が散見されるので、騎士道精神には恩義を重んずることが含まれているのだと思う。でもクロードは騎士道精神を否定しつつ信義に悖ることはしてはいけないとここで主張する。
その違いはいったいなんなのだろう。

・突然崩れる壁

王国の策なら策だとはっきり言ってくれ。闇うごかなんかが来る伏線なのかと思った。

Ep15・Ep16

青以外のザラス突入と解散はあまりにも無理があると思う。青だって無理はあるけど青は二部そのものに無理があるので……。
後はルート共通なので割愛。

Ep17

ヒルダちゃんの散策時セリフ

暴れるシェズを取り押さえるところまでは一緒にいたのに、なぜそんなに他人事。
ヒルダちゃんに限らず、誰もシェズの豹変について尋ねてこないのも変。闇うごに対する知識もより乏しいはずで、もっと警戒してしかるべきなのでは?
器が広いとか懐が深いとかそういう描写としてとらえるには不用心すぎる。

・「神を屠る星」のアレンジが流れない

唯一の新曲ラストバトルを喜ぶべきなのか。今回のがちゃんと神屠ってるのに。

・誤字が多い

レア様のイベントで誤字が多い。ボイスは合ってるけど。

メルセデスとイエリッツァの変

イエリッツァに説得されて矛を納めてしまうのはまだしも、メーチェが友軍になってレア様に魔法をばかすか撃ち込むの、いくらなんでも無理がある。敵対セリフがあるわけでもなし、普通に撤退させてくれ。なんで友軍にしたのか本当に謎。ナデルは動かないのにこの2名はラスボスまで突っ込んでくるし本当に本当に謎。

イエリッツァ自身も突然の友軍登場の上結構な勢いでメルセデスを殴るので初見時爆笑してしまった。どうにかならなかったのか。

・いるだけのナデル

兵長が全部白魔法で消滅しても特に何もなく生き残っており、前進もしてくれないし敗北条件でもないし何のためにいるのかよくわからない。あそこまで攻め込まれたら前半は砦兵長の護衛にはなるのか?ルナでもよほどのことがないとそうはならない気が……。
パルミラとの協調の象徴にしたいなら、マップ内で働かせるべきだったのではないか。青のダスカー将を見習え(かえって大変だったりもするけど)。

・マリアンヌ「信仰心が間違った方に向き始めた」「恐怖を信仰で置き換えたとき、人は凶暴になる」

書きたいことはわかるが無理矢理すぎる。

マリアンヌは少なくとも、原作では生きるのが辛いと思っていて(ディミトリ支援Aとか)、それ故に信仰にすがっているキャラ、と個人的には理解していた。

「間違った」というからには、正しい信仰がなんであるか理解していなければならない。しかし原作のマリアンヌは、ひたすらに自身の死と死後の安寧を祈り、己による不幸を懺悔していた(先生支援A、ディミトリ支援A)。それ以外に信仰の在り方や教義について語ることはなかったはずだ。

他人の信仰が正しいか間違っているか判断できるようなキャラじゃないと思うのは私だけだろうか。まだメルセデスが言う方がわかる。

・白きもののまま死ぬレア様

赤焔でも元に戻るし、銀雪ラストでも元に戻ってたし、セテスはもう転身できないようなことを言ってたし、ナバテアはあくまで「竜に変身できるヒト」だと思っていたが違ったのか。ここは素直な疑問点ですね。あ、でも紅花は白きもののまま死んでたか。差はなんなんだろう。

ちなみにこのレア様の変身ムービー、赤焔でも背景違いでセリフが同じものが流れるが、黄燎のものを赤に流用したらしく、赤のエクストラのイベント・ムービー集には収録されない(黄はちゃんと収録される)。
色々な納期を感じて趣深くなりますね。

・クリア時ナレーション「1183年青海の節」

ユーリス(8/12生まれ)がEp17になったときに一歳年取って23になっているので翠雨の節である。赤に引っ張られたかな。

なお、青のEp17が大樹、赤のEp17が青海は各キャラの年齢を確認した限りでは合っている。
厳密には青のep17はシャミアさんの誕生日前なので孤月末だが、戦闘で数日経過したと考えて矛盾はないだろう。

クロードは戦争を早く終わらせるために、ということを繰り返し言うが、大樹の時点で闇うごをタレスまで掃除し、帝国のトップであるエーデルガルトを捕縛した(であろう)青に対し、翠雨の時点で闇うごをほぼ丸ごと残しディミトリもまだ討てていない黄が先に戦争を終わらせる可能性はあるのだろうか。

総括

お疲れさまでした。
プレイ中のメモから書き起こしたが、後半に行くにつれテンションの低下がすごい。他にも単独外伝の多さ、級友たちのセリフの妙など気になるポイントはあったが、長すぎるのでカットした。
金鹿勢と侵略行為のかみ合わせが悪いというのは巷でも見かけたが、それ以前にシナリオに問題があるような気がする。

創作物についてライターの思惑を推測するのはあまり好きではない(おおよそは邪推に過ぎないと感じるので)のだが、今回はどうしようもなく気になったので言及する。そういうのが嫌な方は読み進めないことを勧めます。

連邦国軍の大義

黄燎の章の二部の基本的な自軍の方針(建前)として語られるものは以下のとおりだ。

①クロードは開かれたフォドラ・自分らしく生きられる世界を作りたい。
②中央教会は、①に反する秩序を押し付けている上、腐敗も著しい。
③よって、中央教会を倒さなければ①は実現できない。
④そこで、中央教会打倒という同じ目的を持った帝国と協調し、中央教会を倒す。

クロードは「中央教会を倒すのが戦争終結の最短ルートだ」というが、Ep9散策時モブによれば「帝国と王国+教会のどちらが強いかは微妙、王国のが強敵かも」という意見もあるので、「最短ルートだから」というだけでは突然攻められた側である教会を討つ建前としては成立しない(クロード自身は「本音として」教会つぶしが本当に最短だと思っていた可能性はあるが、少なくとも軍の建前としては足りない)。だからクロードも、EP9で②を盟約の理由として述べるわけだ。

大義と現実(設定)の矛盾

個人的には、①が具体的にどういう世界なのかがはっきりしない、②の中央教会の腐敗の証拠などが出てこない、というのも気になった。
ただ、そこに目を瞑り、①②が正しいと仮定して進めても、③が問題になる。

第二部では、連邦国は中央教会を排除し、対立を宣言した。しかし、連邦国では何の混乱も起こらなかった。民には中央教会への愛着も信仰もなく、中央教会の方も民への影響力を持たなかったからだ。

そうすると、そのような影響力に乏しい組織が「秩序を押し付け」ることなどできるはずがなく、翻って、既存の秩序が中央教会の影響力以外の要因によって維持されてきた以上、中央教会を排除したとしても、既存の秩序は残るのではないかという疑問が当然出てくる。
もしくは、中央教会の上層部を除かなくても、自国から排除することは容易だし、それによって①は実現できるのではないか、という考え方も出てくるだろう。その場合、侵略には他国に①の改革を押し付ける意思が必要となるが。

クロードの、現在の世界の問題の多くは中央教会の上層部によって生み出されており、この解決のためには他国を侵略してでも中央教会を倒さなければならない、という主張は、「影響力も信奉者も乏しい中央教会」という第二部で判明する事実とどうあがいてもかみあわないわけだ。

あるいはクロードが「己の考える理想の世界が遍くフォドラで実現されるべき、違う理想や信仰を奉じる者は許さない」と主張するのであれば、侵略の理由にはなる。
しかしクロードはそんなことは言わず、「教会を討つのが戦争終結の最短ルートだ」と主張するばかりだ。にもかかわらずエガちゃんを討つという方策(最短ルートのひとつ)は否定するので、「中央教会を倒すための侵略」を意図的に選択しているのは確かなのだが、その理由がわからなくなってしまう。

矛盾が起きた理由

どうしてこの矛盾が生まれたかと言えば、シナリオの都合で同盟内で教会信徒による混乱を書きたくなかったがために、安易に「影響力のない中央教会」という設定を生やしてしまったからだと思う。

中央教会と対立するにあたって、帝国で混乱が起きなかったのはわかる。そもそも原作でも起きてないしね。
エーデルガルトは最初はセイロス教そのものを排撃する予定だったのが、無双では南方教会を立てる方向に軟着陸したわけで、むしろ原作より混乱は起きないのが自然だ。
もともとエーデルガルトがしていた根回しと、帝国の教会との縁の薄さが功を奏したのだろう。

しかし同盟は違う。確かに王国よりは信仰心が薄い面があるだろうが、敬虔な信徒はいたはずだ。事実、ジュディットさんは原作では第二部でのレア様の動向をつかみ、銀雪でも先生に兵を貸してくれるほどの敬虔な信者だった。しかも、帝国と中央教会との戦争は青天の霹靂で、何の準備もしていなかった。いくら連邦国になったからと言って、まったく混乱が起きないのは不自然だ。

黄燎でも当然、製作側はこの不自然さをわかっていたと思う。しかしおそらく、
パルミラ問題とレア様との対決とルートによってはザラスを差し挟む(闇うごを完全無視もできない)黄燎で国内の信徒との戦いまでやる暇がない
・「犠牲を減らすために中央教会を潰す」を掲げるクロードと国内の信徒を殺す展開が矛盾する
あたりの問題から、「国内の信徒問題」を取り扱いたくなかったのだろう。

だからこそ、東方教会への根回しというエピソードを挟み、同盟領では中央教会の影響力は実は乏しかったんだ、東方教会さえあれば信者だって中央教会なんか必要としていないんだ、と理屈をつけたわけだ。

だが、この理屈はこれまでさんざん語ってきたように、黄燎における自軍の大義を基礎づける論理と矛盾する。赤にもその弊害は出ているが、黄のがよりまずい。
繰り返しになるが、黄ルートでは「レスターの世を打ち立てよう」と言う主張は一切なく、それを侵略の動機とできない。したがって、中央教会が国外にあっても無視できないほど影響力のある組織で、自国であってもこれに反するような政策をとることができないからこそ、侵略してまで倒す動機が生まれるはずだからだ。というかこれしか「侵略してまで教会を討つ」動機が作中で示されないのである。
最初から侵略ありきで、フォドラに遍く秩序を敷いてやりたがっている赤とはわけが違う。

あるいは、クロード個人にはセイロス教そのものが理解できず気持ち悪かったので理由をつけて排除したかったとか、ゆくゆくはレスターの世を打ち立てたかったとか、そういう「侵略してでも教会を討ちたい」動機があったのかもしれない。だがそれは建前としても本音としても示されない。
結果として、プレイヤー視点では事実と矛盾した建前だけを告げられたまま侵略戦争を進めることになり、これが個人的には非常~に楽しくなかった。
どんな身勝手な動機でもいいから、作品内で提示された現実に即した理由を述べて欲しい。でないと共感できるかどうかを考えるところまでいかない。

まとめ

個人的には、レア様との対決を書きたいのなら国内の信徒問題は正面からやるべきで、そうでないならレア様との対決そのものを諦めたほうがましだったと思う。

しかしもっと根本的に言わせてもらうと、エピソード同士の噛み合わせがまずもって悪い。
パルミラ撃退に教会の力(シャミアさんはEP3時点では教会所属である)を借りたにもかかわらず教会と敵対し、しかしランドルフのエピソードを通じて信義の大切さを説き、その上で恩義を重んずる騎士道精神を否定して王国を殴りながら恩を売るためにエーデルガルトを助けつつ闇うごとも戦うのは無理。どれかに絞ろう。
ランドルフのエピソードをまるごと削って、最初から教会が嫌いだから帝国につくんだと言ってくれたほうがまだしも据わりがよかった。



突っ込みどころはたくさんあるしたくさん書いてしまったが、それでもこの中央教会問題さえどうにかなっていればなんとか無視できたような気がする。大筋が致命傷。

これを素直に楽しめた人の感想も見てみたいんですけど、このあたりにまるで触れてないものしか見つけられず悶々としています。誰かいい飲み込み方を説明してほしい。

まあこれを書いてすっきりしたので、そのうち青燐で出た情報をまとめたダスカーの悲劇年表修正版と、誕生日から推測した青のepごとの時期まとめ記事を書こうと思います。